暮らしにひと匙のしあわせを
暮らしにひと匙のしあわせを。
一本一本、想いを込めてスプーンを制作しています。
頑張るあなたへのご褒美―例えば、大好きなオムライス―を頬張る瞬間がより幸せな時間になる、そんなお手伝いができれば幸いです。
わたしの手仕事
内橋木工舎では、鑿(ノミ)や鉋(カンナ)などの手道具で木材を削る刳り物(くりもの)の技法により、一点一点手作りでスプーンや調理器具などを制作しています。
中でも南京鉋という特殊な鉋を使用しています。南京鉋は、鉋の下端が曲面になっているため、自在な曲線で木材を切削加工することができ、スプーンのように複数の曲線で構成された形状を削り出すのに適しているのです。
無駄をそぎ落とすことで、より軽く、より持ちやすく、より食べやすい理想形へと近づけて行く。少しずつ切削を繰り返すという、非常にシンプルな行程でスプーンは作られています。
スプーンは曲面を組み合わせた多面体として完成します。この切削により生まれる独特の曲面は南京鉋ならではのもで、スプーンの意匠の一部となっています。また、この曲面同士が繋がる「峰」の部分が、グリップの役割を果たし、指に吸いつくようなフィット感を生みだしています。
削り出した曲面や峰が損なわれないよう、木地の仕上げにはサンドペーパーを使用していません。刃物で削られた木材は、切削面が平滑になることで、水が染み込みにくく耐水性が高まり、光を反射するような光沢のある仕上がりとなります。
スプーンという小さな世界の中に、使いやすさと美しさを両立させた、シンプルで美しい造形をお楽しみください。
ありふれた片田舎で
昔から慣れ親しんだ里山という自然環境との繋がりを大切にしたいという想いから、カトラリーの材料は、地域の里山で採れるサクラやクリなどの身近な木材を使用しています。里山は人が関わり適度に利用することで、美しい里山であり続けることができるのです。
毎日の生活の中で、このスプーンがやってきた里山の風景に思いを馳せることで、自然との関わりを感じていただければ幸いです。
南京鉋を使い、身近な素材から暮らしの道具を創り出す。スローでローカルな一馬力の木の仕事、それがわたしの手仕事です。
来歴
内橋木工舎 内橋 孝太
1987年 兵庫県西脇市 出身
2011年 関西学院大学 商学部 卒業
2025年 木工家として活動開始